2019年1月11日、幕張メッセにて「東京オートサロン2019」が開催されました。
そして、マツダはオートサロンで新型「Mazda3」を日本初公開します。
その一環としてマツダ独自のイベント「スペシャルトークセッション」を開催してくださいました。
今回、その「トークセッション」に参加させて頂きました。
そして、マツダはオートサロンで新型「Mazda3」を日本初公開します。
その一環としてマツダ独自のイベント「スペシャルトークセッション」を開催してくださいました。
今回、その「トークセッション」に参加させて頂きました。
このトークセッションは、事前抽選制でたまたま当選。
50~100人で開発主査の話を聴きつつ、質問するイベントかと思っていました。
ところがどっこい、予想外なイベントでした。
2019年1月11日 09:20
JR海浜幕張駅に到着。
京葉線が遅延していたので少し焦りましたが、無事に到着しました。
また通勤ラッシュだったのに、どの路線も座れたのが奇跡。
集合場所は何と「ホテルニューオータニ幕張」です。
幕張メッセではないのが意外でした。
ここで主査のトークを聴くのでしょうか?
さっそくホテルに入りましょう。
入ると、すぐに案内の人が。
何やらちょっといつものマツダのイベントと雰囲気が違います。
マツダ社員さん総出でお出迎えくれました。
受付を終え、会場に入ります。
予想していたよりこじんまりした会場です。
円形のテーブルが3つくらいあって、先に来られた方々が座ってお茶をしています。
そして、お客さんと同じテーブルになんと開発主査の別府氏、チーフデザインナーの土田氏の両氏も座っています。
え、こんなに近いトークセッションとは驚きです…!
席について飲み物を頂きながら、普通におしゃべりです。
どうやら話を聞くと、応募500人中、選ばれし1X名だけのようです。
こんな限定的なイベントだったとは…。
はじめは緊張しましたが、両氏はとても気さくな方で大変面白いお話をして頂きました。
別府氏は営業から初めて開発主査に抜擢されたそうで、当初は専門用語などには苦戦したらしく、主査やる前は黒髪だったのが白髪になったそうです。
開発主査というのは大変なお仕事なんですねぇ。
また、今回のMazda3では「音質」に拘ったと仰っていました。
車ではレイアウトの制約が多い中、スピーカーの位置には相当なこだわったお話をして頂きました。スピーカーの質をあげなくともレイアウトを変えるだけで相当の変化があるそうです。なので、サウンドの良いレイアウトありきで開発が進むという普段ではありえない開発方法がとられているとか。
また、静粛性もセダンとハッチバック両方とも格段にあげているそうです。
ただし車との対話感を重要視しているため、ただ静かではないというのがマツダの拘りと仰っていました。そのコダワリのおかげか、生産部門やマネージメントの方々には相当怒られたそうです。
それでもやってのけしてしまうのが別府氏の力、ひいてはマツダの強みですね。
ちなみに新型Mazda3は現行アクセラと比べ部品数も倍、組立コストも上昇しているそうです。こだわりに拘りつくしたんですねぇ。
余談ですが、今回のイベントはSNS拡散を主催者が推奨していました。
これまた意外。
さて、10時になりイベントが始まるようです。
これまでのおしゃべりタイムは、待ち時間だったのが驚きです。
非常に濃いおしゃべりでした。
本番は、お2人が前に出てトークするのかな?と思ったら、会場を変更。
オートサロン会場へ向かうことになりました。
しかも、「Mazda3乗車体験」もできるとのこと!
さらにオートサロンの入場券まで頂きました。
これには本当に驚きました。
まさか特別に触ることができるとは…!
当選してよかった。
そんなわけで、会場に徒歩で向かいます。
歩いてる途中も両氏とお話させていただきました。
話した内容は以下の通り。
他にも色々と教えて頂きました。
普通に話せる開発主査と地チーフデザイナーというのが凄い。
さて、オートサロンの会場に入りました。
始めて来ましたが、すごい賑やか。
モーターショーと違い、車両が多いですねぇ。
マツダのブースは一番奥でした。
すでに凄い人の数。
まだこの時間帯は一般公開されておらず、メディア関係者のみの時間帯でしたが、人気ですねぇ。
さて、ここで本格的なトークセッションが開催されました。
新型Mazda3の目の前に椅子が用意されていました。
何と素晴らしい眺め。
実物で見るMazda3ハッチバックはとても官能的でした。
席に座ると、開発陣のトークが始まりました。
ここからは、デザイン本部の田中氏も交えてスタート。
司会は田中氏。
マツダはすべてを自前でやるようです。
さて、トークセッションスタートです。
以下はトーク内容をまとめたものです。
※多少違うかもしれません。
メモとるのに必死だったので、ご了承ください。
だけど、どうしてもクルマ好きが集まるオートサロンで発表したかった。
Mazda3が出展できなかったら、オートサロン今年は辞めようと思った。
本来、車の開発は共有化するもの。
従来型(BMアクセラ)はリアドア部分までを共有されている。
(異なるのはラゲッジルーム&トランク部分)
しかし、新型Mazda3は共有パーツがボンネット、フロントガラス、ヘッドランプだけ。
経営陣にはアホかと言われた。
しかし別府氏はクルマ造りは「ビジネス」であるが、お客さんが喜ぶ車を造りたかった。
何とか経営陣を説得し、「儲けろよと」と言われた。
本来、デザインにも色々と制約がある(予算など)
デザイナーもそれを考えてデザインしなければいかないのが通例だが、今回の主査は好きにやらせてくれた上に、経営陣などのすり合わせを別府氏がやってくれた。
デザイナー側からしたら、デザインを好きにやらせてくれる主査は珍しい。
その初めてが「MAZDA3」で実現。
走らせるテスト寸前で、すべて作り直しになってしまう。
それでも別府氏は作り直すことを決断。
別府氏はその決断をした理由は、「土田氏の言ってることは正しい」と思ったから。
結果、現行アクセラと比べ、30㎜低くした。
社内でも相当の波紋を呼んだ出来事だった。
それでも実現できたのは、生産側と「共創」してできた渾身の作品。
しかし、ハッチバックのデザインをみた生産部門は…。
(ロードスターを製造する時も大変だったそうで)
通常、金属は曲げると元に戻る(スプリングバック)が起こる。
ある塑性域まで曲げれば元に戻らないんだけども、今回のMazda3では塑性域まで曲げることはできない。そのため、ある程度曲げて戻った時の曲線を利用した。
試行錯誤の末、型を一個捨ててでも造った。
ちなみにNDロードスターの場合は、今回の全く逆で苦労した。
(開発主査の中山氏もそうとう苦労したらしい)
シボリ?が深いため「こんなに金属が延びるのか?」と言われた。
ただ、これがきっかけで生産側と「共創」をすることが出来た。
その成果はMazda3に引き継がれている。
リフレクション(光の反射)を是非見て欲しい。
「長い時間をかけて感動を造っていく」というのが狙い。
朝、夕方、町並みによって変わる美しさ。
車を見ながら一杯、というように愛でほしい。
そして時間をかけて車を愛してほしい。
特に「後部座席」を見て欲しい。
ちゃんと押せてるという感覚を追求、ひとつひとつのボタンやバネも調整。
マツダらしい握りを実現。
別府氏と土田氏の息の合った掛け合いはとても面白かったです。
両氏のMazda3にかける想いはとても熱いと感じました。
さて、続いては実際にMazda3を近くで見てみることになりました。
楽しみです。
次回→「MAZDA TOKYO AUTO SALON 2019 スペシャルトークセッション」に参加してきました。【後編】
50~100人で開発主査の話を聴きつつ、質問するイベントかと思っていました。
ところがどっこい、予想外なイベントでした。
2019年1月11日 09:20
JR海浜幕張駅に到着。
京葉線が遅延していたので少し焦りましたが、無事に到着しました。
また通勤ラッシュだったのに、どの路線も座れたのが奇跡。
集合場所は何と「ホテルニューオータニ幕張」です。
幕張メッセではないのが意外でした。
ここで主査のトークを聴くのでしょうか?
さっそくホテルに入りましょう。
入ると、すぐに案内の人が。
何やらちょっといつものマツダのイベントと雰囲気が違います。
マツダ社員さん総出でお出迎えくれました。
受付を終え、会場に入ります。
予想していたよりこじんまりした会場です。
円形のテーブルが3つくらいあって、先に来られた方々が座ってお茶をしています。
そして、お客さんと同じテーブルになんと開発主査の別府氏、チーフデザインナーの土田氏の両氏も座っています。
え、こんなに近いトークセッションとは驚きです…!
席について飲み物を頂きながら、普通におしゃべりです。
どうやら話を聞くと、応募500人中、選ばれし1X名だけのようです。
こんな限定的なイベントだったとは…。
はじめは緊張しましたが、両氏はとても気さくな方で大変面白いお話をして頂きました。
別府氏は営業から初めて開発主査に抜擢されたそうで、当初は専門用語などには苦戦したらしく、主査やる前は黒髪だったのが白髪になったそうです。
開発主査というのは大変なお仕事なんですねぇ。
また、今回のMazda3では「音質」に拘ったと仰っていました。
車ではレイアウトの制約が多い中、スピーカーの位置には相当なこだわったお話をして頂きました。スピーカーの質をあげなくともレイアウトを変えるだけで相当の変化があるそうです。なので、サウンドの良いレイアウトありきで開発が進むという普段ではありえない開発方法がとられているとか。
また、静粛性もセダンとハッチバック両方とも格段にあげているそうです。
ただし車との対話感を重要視しているため、ただ静かではないというのがマツダの拘りと仰っていました。そのコダワリのおかげか、生産部門やマネージメントの方々には相当怒られたそうです。
それでもやってのけしてしまうのが別府氏の力、ひいてはマツダの強みですね。
ちなみに新型Mazda3は現行アクセラと比べ部品数も倍、組立コストも上昇しているそうです。こだわりに拘りつくしたんですねぇ。
余談ですが、今回のイベントはSNS拡散を主催者が推奨していました。
これまた意外。
さて、10時になりイベントが始まるようです。
これまでのおしゃべりタイムは、待ち時間だったのが驚きです。
非常に濃いおしゃべりでした。
本番は、お2人が前に出てトークするのかな?と思ったら、会場を変更。
オートサロン会場へ向かうことになりました。
しかも、「Mazda3乗車体験」もできるとのこと!
さらにオートサロンの入場券まで頂きました。
これには本当に驚きました。
まさか特別に触ることができるとは…!
当選してよかった。
そんなわけで、会場に徒歩で向かいます。
歩いてる途中も両氏とお話させていただきました。
話した内容は以下の通り。
- セダンの積載量はハッチバックより凄い。(別府市)
- アテンザを超えたと自負。社内の他の開発陣からはハードル上げすぎと。
- リフレクションには開発した自分でも驚いた。(土田氏)
- 現行アクセラ発表後(2013年頃)からMazda3の構想を練っていた。(土田氏)
他にも色々と教えて頂きました。
普通に話せる開発主査と地チーフデザイナーというのが凄い。
さて、オートサロンの会場に入りました。
始めて来ましたが、すごい賑やか。
モーターショーと違い、車両が多いですねぇ。
マツダのブースは一番奥でした。
すでに凄い人の数。
まだこの時間帯は一般公開されておらず、メディア関係者のみの時間帯でしたが、人気ですねぇ。
さて、ここで本格的なトークセッションが開催されました。
新型Mazda3の目の前に椅子が用意されていました。
何と素晴らしい眺め。
実物で見るMazda3ハッチバックはとても官能的でした。
席に座ると、開発陣のトークが始まりました。
ここからは、デザイン本部の田中氏も交えてスタート。
司会は田中氏。
マツダはすべてを自前でやるようです。
さて、トークセッションスタートです。
以下はトーク内容をまとめたものです。
※多少違うかもしれません。
メモとるのに必死だったので、ご了承ください。
- マツダは世界シェアたった1.5%の会社、全て自前でやります(司会とか)
- 国内で発表してない車をオートサロンに出展した理由
だけど、どうしてもクルマ好きが集まるオートサロンで発表したかった。
Mazda3が出展できなかったら、オートサロン今年は辞めようと思った。
- セダンとハッチバック2つのデザインを分けた理由
本来、車の開発は共有化するもの。
従来型(BMアクセラ)はリアドア部分までを共有されている。
(異なるのはラゲッジルーム&トランク部分)
しかし、新型Mazda3は共有パーツがボンネット、フロントガラス、ヘッドランプだけ。
経営陣にはアホかと言われた。
しかし別府氏はクルマ造りは「ビジネス」であるが、お客さんが喜ぶ車を造りたかった。
何とか経営陣を説得し、「儲けろよと」と言われた。
本来、デザインにも色々と制約がある(予算など)
デザイナーもそれを考えてデザインしなければいかないのが通例だが、今回の主査は好きにやらせてくれた上に、経営陣などのすり合わせを別府氏がやってくれた。
デザイナー側からしたら、デザインを好きにやらせてくれる主査は珍しい。
- 別府氏と土田氏は同期入社(寮も一緒?)
- RX-VISONとVISION COUPEが新世代の象徴
その初めてが「MAZDA3」で実現。
- 実は最初はボンネットが高かった。
走らせるテスト寸前で、すべて作り直しになってしまう。
それでも別府氏は作り直すことを決断。
別府氏はその決断をした理由は、「土田氏の言ってることは正しい」と思ったから。
結果、現行アクセラと比べ、30㎜低くした。
社内でも相当の波紋を呼んだ出来事だった。
それでも実現できたのは、生産側と「共創」してできた渾身の作品。
- 社内お披露目会でハッチバックを見た生産部門の人は「えぇ…」と悲鳴をあげたとか。
しかし、ハッチバックのデザインをみた生産部門は…。
(ロードスターを製造する時も大変だったそうで)
- 工場に2モデルをもっていき、実際にアンベールしてお披露目した。
通常、金属は曲げると元に戻る(スプリングバック)が起こる。
ある塑性域まで曲げれば元に戻らないんだけども、今回のMazda3では塑性域まで曲げることはできない。そのため、ある程度曲げて戻った時の曲線を利用した。
試行錯誤の末、型を一個捨ててでも造った。
ちなみにNDロードスターの場合は、今回の全く逆で苦労した。
(開発主査の中山氏もそうとう苦労したらしい)
シボリ?が深いため「こんなに金属が延びるのか?」と言われた。
ただ、これがきっかけで生産側と「共創」をすることが出来た。
その成果はMazda3に引き継がれている。
- 生産側のハートに火をつけた土田さんのデザイン
- マツダ史上一番工場に行くデザイナー土田さん
- 魂動デザインは今後も変わらない。
リフレクション(光の反射)を是非見て欲しい。
「長い時間をかけて感動を造っていく」というのが狙い。
朝、夕方、町並みによって変わる美しさ。
車を見ながら一杯、というように愛でほしい。
そして時間をかけて車を愛してほしい。
- 実はメーター部は湾曲しており、一体感を高めている。
- マツダの車両は「外装はいいけど内装が…」という評判が多かった。
特に「後部座席」を見て欲しい。
- 内装全て触れるところは大体すべて柔らかい素材。
- スイッチの質感を統一したいというエンジニア
ちゃんと押せてるという感覚を追求、ひとつひとつのボタンやバネも調整。
- ステアリングも変更
マツダらしい握りを実現。
- 内部の週報では「オーディオが素晴らしい」と絶賛
- 社内の試乗会でも乗った人は「サウンドすごい」と絶賛
別府氏と土田氏の息の合った掛け合いはとても面白かったです。
両氏のMazda3にかける想いはとても熱いと感じました。
さて、続いては実際にMazda3を近くで見てみることになりました。
楽しみです。
次回→「MAZDA TOKYO AUTO SALON 2019 スペシャルトークセッション」に参加してきました。【後編】